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ブータンへ薬草を訪ねる旅 ①全旅程

01パロ
パロの田園風景

2010.7.18~23、「薬草の国(メンジョン)」とも呼ばれ、ヒマラヤ山系の多様で豊かな自然環境に育まれた、チベット医学に基づく薬草文化が今も息づくブータンへの旅!

初日、7月18日、飛行機乗継のバンコクを未明に発ち、朝には、ブータン唯一の国際空港があるパロへ到着。

02ドチュラ首都ティンプーの市場や王立植物園に立ち寄った後、車は東へ、山道をぐんぐん登り、標高3,150m、シャクナゲの宝庫で知られるドチュ・ラ峠へ。
日本人アムチ(チベット医)Oさんの案内で、ブータンの様々な野生の植物や薬草と初めて出会う!
(詳細は追ってアップ >> ②ドチュ・ラ峠





峠を越えさらに東へ進み、宿泊は、標高約1,300m、亜熱帯の農村、ウォンディフォダンで。
03ホテル 04装飾 05職人
ホテルのベランダからは、ブータンの国旗にもある「雷龍」が潜んでいそうな、雄大な川が眼前を流れる眺めが気持ちよい!
ブータンのあらゆる建築物に施される「花模様」が気に入り始めていたところ、このホテルで作業中の職人にも出会えた!


2日目の7月19日、ウォンディフォダン・ゾンへ参詣。
06正装 07ワンドゥポダン
ゾンとは、「城塞+僧院+県庁」。
ゾンに入る際、ブータン人は、民族衣装(男性は「ゴ」、女性は「キラ」)に加えて、男性は「カムニ」という白布(一般庶民の場合)、女性は「ラチュ」という房付の手織り布を肩にかける正装が義務付けられている。・・・ガイドさんとドライバーさんの正装をパチリ!
08猫 09サボテン
ゾンの中では、猫まで悟ったように静かに佇む?
この地域の城塞には、サボテンを植えることで外敵の侵入防止を強化したそうだ。


10プナカ
続いて、プナカ・ゾンを訪れる。
首都ティンプー(標高2,400m)に比較し温暖なプナカ(標高1,300m)は、かつては、冬の間、国王や大僧正が移り住む「冬の都」として栄えた町。

11橋 12ボダイジュ
ブータン伝統様式の橋を過ぎ、ゾンの中庭へ進むと、そこには堂々たるインド菩提樹の木(ジャンチュ・シン)!
木の懐へ入り、たくさんの葉がさわさわと心地よいリズムでそよぐのを見上げていると、この木の下が瞑想の場というのもわかる気が・・・。

そして美しい「タンカ」の数々。タンカとは、チベット仏教に基づく仏教絵画のこと。
13六道 14宇宙図 15友情
写真左は、「六道輪廻図」。
上半分に天道・人道・修羅道の「三善趣」、下半分に畜生道・餓鬼道・地獄道の「三悪趣」が描かれ、「カルマ(業)」によってどれかの世界に転生しながら、輪廻を続ける事を表現しているという。
天道は、人間よりも優れた天人がすむ世界。
人道は、生病老死の四苦八苦に悩まされる、人間が住む世界。
修羅道は、苦しみや怒りが絶えず、終始戦う阿修羅の住む世界。
畜生道は、他人の施しを受けるばかりで償いをしなかった者が生まれ変わる、弱肉強食の本能のまま、仏の教えを受けることが出来ない畜生が住む世界。
餓鬼道は、強欲で嫉妬深い貪りの心で生きた人が生まれ変わる、餓えと渇きに悩まされる世界。
地獄道は、大きな罪悪を犯した人が生まれ変わる地獄の世界。
・・・ガイドさんの説明に、ところどころドキッと身につまされ、ついはたと、わが心のありようとか、業とか、普段は見過ごしていたものに思いが至る・・・!
そして、中心部には、勝間和代さんがすっかり有名にした「仏教の三毒」(元祖版)を表す、鳥(貪:むさぼり)・蛇(瞋:いかり)・豚(癡:ぐち、無知)が描かれている。

写真中央は、ブータン特有の「宇宙図(クジェ・ラカン)」。神秘的な美しさが漂う。

写真右は、「友情の絵」。
象・猿・兎・鳥が仲良く果物を取っているこの図は、ゾンに限らず、ホテルやレストランなど、あらゆる場所で見かけた。
学校にもきっとあるだろう。こんな絵があるブータンの学校、なんだかいいな。

16花 17-1花 17-2花
ゾンに植えられていた木々。
写真左から、ナンバンサイカチ(golden shower tree)、ジャカランダの実、ベンガルボダイジュ。

午後は、ティンプー近郊のチミ・ラカンへ。
(詳細は追ってアップ >> ③チミ・ラカン 田んぼの風景

3日目の7月20日、メインは、伝統医療院の見学。
(詳細は追ってアップ >> ④伝統医療院)

国立図書館見学、ティンプーの町の散策も。
路地裏の民家では、機を織る女性の姿に出会い、窓辺には、ブータン唯一の伝統「野菜」、エマ(唐辛子)が赤々と!市場にはお香や香草がふんだんに・・・・(前日撮影)
18町 19市場
20町 21町

トラックたちの目力勝負も面白い!
建築工事では足場等に竹が使われている。そういえば、王立植物園の解説板には、「ブータンでは、竹を年間の日にちの数ほどの多様な用途に使う」と書いてあった。
22-1トラック IMG_2144.jpg

夕食時、ブータン名産のたくさんの松茸とともに、初めていただいたバター茶(スジャ)。
日本人は苦手な人も多いようだが、わたしは結構好きだった!
材料のお茶は、「地球の歩き方」等ではプーアル茶と書いてあるが、現地のガイドさんは、「ヤドリギ」のお茶を使うといっていた。
今度行くことがあれば、市場でヤドリギのお茶を買ってみよう。
22-2食事 23-1バター茶


4日目の7月21日、伝統医療院で実際に診察・処方をしていただいた後、タンゴ僧院へ。
(詳細は追ってアップ >>⑤タンゴ僧院周辺
KC3B0070.jpg

そして、パロ(標高2,300m)へ戻り宿泊。
ホテルの庭は花々が咲き乱れてきれい。
デザートには、テニスボールほどの小さな梨が丸ごと、これまた小さなナイフを添えて出され、素朴で新鮮。
24ホテル 25梨


26チェレラ5日目の7月22日、ブルーポピーも咲くという高山植物の宝庫、チェレ・ラ峠(標高3,800m)へ!
(詳細は追ってアップ >> ⑥チェレ・ラ峠














その後、チベット軍に対する戦勝記念に建てられ現在は廃墟となるドゥゲ・ゾンへ。
周辺にはブータンの国木の糸杉(ツェンデン・シン,サイプレス)の大木が、天に向かってまっすぐ堂々と生えている。
27ドゥゲ 28ドゥゲ


そして最終日6日目の7月23日、朝から、ガイドのウゲンさんに「キラ」を着せていただき、そのまま、パロ・ゾン、そしてパロ市内の散策へ。
29パロゾン 30パロゾン
パロ・ゾンは、映画「リトル・ブッダ」の撮影にも使われた格式あるゾン。
名残惜しく、この旅最後のマニ車(「回すお経」)を回す・・・!

31アクセ 32ガイド 33思い出
パロの町では、素敵なアクセサリーショップを発見。店頭に立つ若い女性が、すべて自分でデザインしたという。
旅の友Mさんとおそろいでブレスレットを購入!(Mさん、いろいろと、写真の提供もありがとう!)
天珠、ターコイズ、赤珊瑚、ラピスラズリ・・・。仏教色が強すぎず自然に使えるデザインでありながら、気の向くまま選んだ石は、結果、ブータン仏教で大事にされるものばかりだったというのが、ちょうどよい感じ。

そして、ドライバーのイシさんに教えてもらったブータン東部の言葉「ペンペンマ(ちょうちょ)」と「タクタクパ(かえる)」の土産物を購入。ウゲンさん、イシさんへのチップへ添えて手渡し、楽しい思い出たっぷりの旅の終了。
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ブータンへ薬草を訪ねる旅 ②ドチュ・ラ峠

1ドチュラ
首都ティンプーから東へおよそ10km、標高約3,150mのドチュ・ラ峠へ。
その周辺を日本人初(チベット圏以外の外国人としても初)のチベット医「アムチ」であるOさんの案内で散策。
あたりは亜高山帯性の針葉樹とシャクナゲが混ざる林だが、峠に設置されたチェルテン(仏塔:写真上)付近は一部切り開かれ、花々が咲く草原になっている。

2アネモネ 3 ウツボグサ  4 iris 5 オトギリソウ
草原には、アネモネ(Anemone rivularis)やウツボグサが群生し、アヤメやオトギリソウなど日本の草原でも見かける花の近縁種も点々と咲いている。

このアネモネは、チベット医学では解熱などに用いられるらしい。
ウツボグサは、日本では薬草だが、チベット医学では用いないとのこと。
アヤメは、チベット医学で用いるものはガメスと呼ばれ(Iris kemanensis)たぶんもっと背の低い別種かもしれない。
オトギリソウは、日本でもヨーロッパでも薬草で、チベット医学の経典(四部医典)にも掲載されるが、実際に使うことは少ないという。


6キオン属グドゥ 7ルリソウ ネマ・ユロ 8ヤマハハコ タワ代品 9フウロソウ リ・ガドゥル
グドゥ(キオン属)は、傷口の治療や腸炎などに、ネマ・ユロ(オオルリソウ属)は腫れに用いられる。ユロのユとはトルコ石のこと。
ヤマハハコ属は、葉の綿毛をお灸のモグサに使い、タワと呼ばれるが、本物のタワはウスユキソウ属で、こちらは品質の劣る代品。
チベット医学では、このように、性質や用途が同じ薬草は、植物学上はまったく別のものでも区別せず、同じ名前で呼ぶのだそうだ。サフランと紅花も同様。今回の旅で印象的だったカルチャーショックのひとつ。
フウロソウ属は、リ・ガドゥルと呼ばれ、根を毒による熱を鎮めるのに使う。


10ラン1 11ラン2 12IMG_1914.jpg
森の方へ進むと、木陰には、ひっそりと小さな白いランが咲き、正体不明の赤い花が落ちている、なんだろう・・・?

13Clematis tongluensis 14アジサイheterophylla
霧が立ち込める森の中には、クレマチス(Clematis tongluensis:消化促進に用いられる)やアジサイ(Hydrangea heterophylla)の花も咲いていて、幻想的な風景にしばしとっぷりとつかった。

ブータンへ薬草を訪ねる旅 ③チミ・ラカン 田んぼの風景

01チミラカン
プナカから少し南、ロベサ村(「美しい村」)の小高い丘に立ち、子宝の寺としても名高いというチミ・ラカンへ向け、棚田の風景の中を歩く。
吹き抜ける風が田んぼをさざめかせ、肌にも見た目にも心地よい!

03ボントクタデ 04キツネノボタン 06コナギ
田んぼの畦には、ボントクタデ、ケキツネノボタン、コブナグサといった日本でも見慣れた懐かしい草々。
農地の「雑草」は、農耕文化の伝播に伴って分布を広げたと考えらる「史前帰化植物」で、世界の広域に分布する。

02ジュンサイ 07バター茶づくり
田んぼの水面には、ジュンサイのような浮葉植物も。
道すがらの農家のおうちでは、もしかしたら、バター茶の攪拌作業中か!?


08草食む牛 09イヌ
雑草を食む牛、門前で構える犬。
田んぼの風景の中で、動物たちも自らのペースでしっかり一役を担っていた。


*ここからは場所を移して、パロの田んぼや人里の植物。(7/23撮影)
10ウキクサ 11ゲンノショウコ 12ツユクサ
パロの田んぼには、日本では農薬の普及でめっきり減ったウキクサが浮いていた(写真左)
きっと農薬に頼らず生き物の豊かな田んぼなのだろう。

道端には、日本のゲンノショウコそのものに見える草(写真中央)や、オオルリソウ。
生活とかかわりのある有用植物など意外は、「青い花」とか「黄色い花」とかいう呼ばれ方をして特に名をもたないという、ブータンの植物。
子ども達は、カギ状の毛が生えるオオルリソウの花序を採って服につけて遊ぶそうで、そのために、「くっつく」とういう意味の「チムジャ」という名前があるという。(ちょうど日本で、同じように遊ぶヤエムグラが「勲章花」と呼ばれるように)
遊びも重要!名がつく価値、大あり!

石垣には、日本にはない、おしべにふかふかの毛が生えた空色のとってもかわいいツユクサ科の花(写真右)が点々と・・・。

ブータンへ薬草を訪ねる旅 ④伝統医療院

01診療所
ナンピメンカン(伝統医療院,ITMS: Institute of Traditional Medical Services)を見学。
小さな子どもを連れたお母さんからお年寄りまで、多くの人々が診療を受けに集まっている。

02医学生
医学校も併設されており、ドゥンツォ(伝統医療医)の卵の学生達の姿も。

ここにドゥンツォとして勤務するサンポ先生に、アムチOさんの通訳でお話を伺い、施設をご案内いただいた。

医学校では、現在、65名の学生(うち15名が女子学生)が学んでいるそうだ。
ドゥンツォ養成は5年制、メンパ(薬剤師?)養成は3年制、在学中は生活費や一定の手当が支給される。
卒業後、1年間ここで研修医を勤めた後は、ドゥンツォとメンパがふたりペアで、本人の希望ではなく国が決めた場所に着任するのだそうだ。


03ドンデム
院内に掲げられる「ドンデム」は、チベット医学の基本思想を表現したもの。
3本の樹は、「身体の樹」「治療の樹」「診断の樹」で、224枚の葉、47本の枝、3つの果実、2つの花にはそれぞれ意味があり、そして医学の究極の目的として「涅槃」が描かれている。
幹を流れる3色の色、黄、赤、青は「三体液」を表し、漢方の概念や五大元素に当てはめると、
「ルン」は「気」「風」に相当し、執着から生じ、風のように落ち着かず、
「ティーパ」は「血」「火」に相当し、怒りから生じ、筋肉質で獰猛で、
「ベーケン」は「水」「地・水」に相当し、無知から生じ、のんびりと落ち着いた性質とのこと。


04龍の口 06処方 07サイン
ここで行われる療法は、お灸、ハリ(金針、銀針)、薬湯、蒸気浴、オイルマッサージ、瀉血等。
蒸気浴の蒸気の口は龍の口!(写真左)
オイルマッサージには、主にナツメグと茴香等が用いられるという。
薬湯には、たとえば、ヨモギ、ヒノキ、麻黄、ツツジ、乳香等をブレンドし発酵させた「甘露五味浴」が用いられる。
また、処方される薬は、漢方のような煎じ薬ではなく、薬草の粉を丸薬や錠剤に固めたもの。(写真中央:処方箋と薬)

毎年6-7月にリンシ(標高4,000m超)へ、600-700種の薬草を採集しに行くそうだ。
チベット医学は占星術との結びつきもあり、薬草の採取は上弦の月の時期に行い、また、暦によってお灸等も施してはいけない場所が決まってくるという。

温厚なオーラに満ちたサンポ先生にひととおりご案内いただいた後、「甘露五味浴」と、ブータンの薬草の本にはサインを入れていただくという、貴重なお土産までいただいた・・・!!(写真右)

診察も薬も、ブータン人に限らず外国人観光客でも、すべて無料。私たちも恩恵に預かった。
サンボ先生、ナンピメンカンの皆様。とても貴重な経験に、心から感謝・・・。


※薬草メモ
08ケンカル 09セウシ 10ツツジ採取
【写真左】ケンカル(ヨモギ属):香りがよく、線香や薬湯等に用いられるという(撮影:7/18 国立植物園)
【写真中央】セウシ?(バラ属):ガイドのウゲンさんによれば、かつてのブータンでは、この花の白い花びらを薬にするため、国が、各世帯に一定量の採集・供出を求め、買い取ったそうだ。この時期、花は終わっていて実に・・・(撮影:7/20 ティンプー近郊)
【写真右】「甘露五味浴」にも用いられるツツジを採集する人に出会った(撮影:7/22 チェレ・ラ峠)

ブータンへ薬草を訪ねる旅 ⑤タンゴ僧院周辺

01広葉樹林
ティンプー北部に位置するタンゴ僧院への道は、しっとりと湿度の高い温帯性広葉樹林の中を巡り登る道。
クルミの木や、ジシンと呼ばれるオーク(ドングリのなる木)などが茂り、そして幹にはびっしりと着生シダが生えている!

02ジシン 06アセビ 04ゲットウ
ジシンは、ブータンの言葉で「重い木」という意味で、よい薪になるそうだ。
葉などの雰囲気が、日本で備長炭の材料として重宝されるウバメガシに似ているなあ・・・と思ったら、「材が重くよい燃料になる」という性質も共通で、おもしろい!ジシンはまた、建築材にも使われるという。
枝には、ドングリがなっているのを発見(写真左に小さく)。

アセビ属の白い花(写真中央)や、ハナミョウガ属の赤い実(写真右)も。
緑濃く茂るしっとりとした森の中では、こんな深い赤がとても映える・・・!


07ソクズ 08アカネ 09アカネ科
この森をはじめ、ブータンでは、ソクズ(クサニワトコ)そっくりの植物(写真左)をとてもよく見かける。

ブータンのアカネ(写真中央)はツォと呼ばれ、日本のものと違い、芽まできれいなオレンジ色を帯びている!ツォは、染料のほか、チベット医学では肺の病気に用いられるそうだ。

白い花と紫の花が隣り合って咲いているブータンのウグイスカグラ(写真右)もかわいらしい・・・!
日本のピンク1色もかわいいけれど、この組み合わせもなかなかのもの。
同属のスイカズラのように、咲き始めが白で次第に色づくのだろうか?!


10花 11ユリ科 12ラン
そのほかにも、赤、白、黄色・・・、可憐な花々の数々。


13シンゼン 14ゼム
ガイドのウゲンさんに、ブータンで、床などの腐食を防止しつつ色も染める木の葉を2種類、教えていただいた。
写真左は、赤系に染まるというシンゼン。何の仲間か見当がつかないが、しいて言えばムラサキシキブ似か??
写真右は、黄色に染まるというゼムシン。サワフタギに似ているように見える。
タンゴ僧院の床もきれいな黄色に染め上げられていたが、僧院内は撮影禁止で残念!


15ジシン団栗 16ジシン団栗
そして帰路には、あのジシンのドングリを拾い集めている人たちに出会った!
ウゲンさんによれば、国家プロジェクトとして、ジシンの植林を行っているとのこと。
こんなに豊かな森に恵まれた国土だが、それにはなるべく手をつけず、別途、用材等の生産林を育成するということなのだろうか??

しっとり豊かにうるおうこの森で出会った、のびやかに育つ植物たちと、そして、そんな植物と人との係わり合い。印象深く心に残った。

ブータンへ薬草を訪ねる旅 ⑥チェレ・ラ峠

00Pinus griffithii-1 00Pinus griffithii-2 02モミAbies densa? Rosa sericea
パロから南西へおよそ10km、高度は約1,500m登り標高3,800m。森林限界に近く「お花畑」が広がるというチェレ・ラ峠へ!
植生は、同じ針葉樹でも、細長いまつぼっくりをつけるブータン松(ブータン名:トンフーシン、ヒマラヤゴヨウ、Pinus griffithiiから、およそ標高3,000m位を境に、ラピスラズリのように深い藍色の実をつけたモミ属Abies densa?)へと変化。クリーム色で四弁の大輪野ばらRosa sericeaも美しい。
03Primla smithiana? 04IMG_1011.jpg
そして、モミの濃い緑を背景に木漏れ日を受け、サクラソウやケシなど黄色の花たちが輝くように咲いている!


峠付近に広がる「お花畑」は、厳しい環境に順応し地にはりつくように生える小型の草木が種類も豊富で、それぞれ凛とかわいらしい。
05リンドウ 06トウヒレン 07Cyananthus.jpg 08IMG_1065.jpg
左から、リンドウ属、トウヒレン属、Cyananthus sp.?、Salvia sp.?
09IMG_1072.jpg 10IMG_1130.jpg 12シャリントウ 11Gaultheria trichophylla
左からイグサ科、アカバナ科、シャリントウ属?、シラタマノキ属(Gaultheria trichophylla )
日本のシラタマノキの実はその名のとおりの白色だが、こちらはこんなきれいな青色、でもサロメチールの香りは共通だ!


13ツツジ1 15ツツジ2 14ツツジ3
岩場に生える小型のツツジがちょうど花盛り。しかも花色が、サーモンピンク、マゼンダ、イエローと園芸植物ばりに豊富で夢のように美しい・・・!


チベット医学の薬草たちともたくさんの出会いが。
01ルクミク 02チェツァ 03ドマ
チベット名(またはブータン名)で左から、ルクミク(ミヤマアズマギク?)、チュツァ(ヒマラヤンルバーブ)、ドマ(ブータン名)(キジムシロ属)
ブータンの嗜好品でビンロウジュの実を「噛み煙草」のようにする「ドマ」があるが、ガイドのウゲンさんによれば、この薬草のドマの根はその代用品にもするという。
04チウ・タルカ 05クルマ 06パンジャPolygonum viviparum
左から、チウ・タルカ(ツリフネソウ属)、クルマ(ブータン名)(タンポポ属)、パンジャ(タデ属)
07ルクル2 08ルクル1 09リショ
左からルクル・ムクッポ(シオガマギク属)とその仲間、リショ(メタカラコウ属)
リショは、アムチ(チベット医)Oさんによれば、頭頂に黄色い花を付ける姿が吉祥とされるため、医学校での薬草鑑別試験の最終問題は、必ずこれと決まっているそうだ!
10タワ ウスユキソウ 11タワ2 12トウダイグサ
左から、タワ(ウスユキソウ属)とその代品(ヤマハハコ属)、チベット名不明のトウダイグサ属。
13ウメバチソウ 14ヘビイチゴ 15アムチャ
左から、ヌルティク(ウメバチソウ属)、チベット名不明の「インドイチゴ」Fragaria Indica、アムチャ(ハナウド属)
16麻黄 17Primula sikkimensis 18ナルド パンプー
そして散策の終盤に出合った最強(主観!)の薬草たち3つ。
左から、ツェドゥム(麻黄、裸子植物マオウ科マオウ属)、シャンディル(サクラソウ属、Primula sikkimensis?)、パンプー(Nardostachys grandiflora )

麻黄は、伝統医療院でいただいた「甘露五味浴」にも使われていて、その効果(気持ちよさ)を体感させていただいたが、現代医学でも、その抽出成分エフェドリンが、咳止め、発汗・解熱のためほとんどの風邪薬に配合されているというほど、強力な作用があるらしい。

シャンディルの名は「鈴」を意味し名前まできれいだが、Oさんの資料によるとその薬効は、「白い花は熱病一般に効き、黄色は小児熱に効き、赤い花は血の熱と悪霊の病に効果があるとされ」るとのこと、なんだかいろいろとすごい・・・。

そしてパンプーは、英名ではスパイクナードやナルドと呼ばれ、世界でもっとも古い歴史を持つ芳香植物のひとつ。そしてアロマテラピーで用いられる精油の原料植物の中では珍しく、ブータンを含むヒマラヤ山脈に産するものであることから、今回の旅で、特に出会ってみたかった植物!同定にはいまひとつ確証はないが、出会えたかもしれなく(?)うれしい!


IMG_1085.jpg
可憐に咲き並ぶランの背景には、経文が書かれた五色の旗「ルンタ」がはためいている。
青は空、白は風、赤は火、緑は水、黄色は地。
ルンタがはためくごとに、祈りが風にのって世界へ広がるという。

そして、屋外香炉「サンタブ」に、ドライバーのイシさんが、モミやヒノキ、ツツジの枝をくべて炊いてくれた。峠のサンタブは旅の安全祈願。モミの枝がいちばんいい香り!白い煙が立ち上る。

豊かな自然と人々の祈りの心に満ち満ちた、なんともいい国、素敵な場所・・・!
IMG_1098.jpg IMG_1101.jpg 01IMG_1051.jpg

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Hare+

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人も植物も ともにいきいきと つながりたい!
*AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
*森林インストラクター
*ビオトープ管理士(計画部門1級)
*緑花文化士

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